TECHNICAL GUIDE

フランジ締付の
正しい手順

配管・圧力容器のフランジ接合部は、ガスケットを均等に圧縮しなければ漏れが生じます。正しいクロスパターン・段階締めの理由と手順を解説します。

ASME PCC-1 準拠 クロスパターン 段階締め 軸力均等化

なぜ締付順序が
重要なのか

フランジのボルトを「隣から順番に」締めると、先に締めたボルトの締付力が後から締めるボルトの影響で変化します。その結果、ガスケット面に偏りが生じ、漏れリスクが高まります。

±3%
HYTORC による
トルク精度
4+
推奨締付
段階数
90%
漏れの原因は
不均一な締付

間違った締め方が引き起こす問題

ガスケットの偏り圧縮

順次締めるとガスケットが傾き、一部の領域だけが過圧縮・他が未圧縮になります。

クロストーク(相互干渉)

隣接ボルトを締めると、既に締めたボルトの軸力が変化します(クロストーク現象)。

漏れ・フランジ変形

軸力のばらつきは漏れの直接原因となり、フランジ面の変形・損傷につながります。

締付直後のリラクゼーション

一段階締めでは時間経過とともに軸力が低下(クリープ)し、増し締めが必要になります。

フランジ締付の
基本段階手順

ASME PCC-1 に基づく段階締め手順です。各段階でクロスパターン(対角順序)を適用します。目標トルクは設計または使用材料から算出してください。

段階 内容 トルク目安 ポイント
00
清掃・目視確認
フランジ面、ガスケット、ボルト・ナットのねじ山を清掃。損傷・腐食・異物がないか確認する。
ガスケットは新品を使用。再使用不可。
01
手締め(スナッグ)
全ボルトを手で締め、ガスケットが均等に着座していることを確認する。クロスパターン順に実施。
手締め
ガスケットの位置ズレを防ぐため均等に。
02
第1段階 ── 25%
目標トルクの 25% を、クロスパターン順に全ボルトへ適用。ガスケットの初期圧縮を均等に行う。
25% Nm
最初に反対側のボルト(対角)から締める。
03
第2段階 ── 50%
目標トルクの 50% を、同じクロスパターン順で全ボルトに適用。圧縮を段階的に増加させる。
50% Nm
前段階と同じ順序を厳守。
04
第3段階 ── 75%
目標トルクの 75% を適用。ガスケットの残留圧縮を高め、クリープに対するマージンを確保する。
75% Nm
高圧・高温ラインでは追加段階を検討。
05
第4段階 ── 100%(設定トルク)
目標トルクの 100% を全ボルトに適用。設定値に達したら自動停止(HYTORCの場合)。
100% Nm
最終段階は特に均等性を重視。
06
スナッグチェック(確認締め)
全ボルトをクロスパターン順に再確認。動きがなければ完了。動きがあるボルトは再度 100% を適用。
確認
クリープ後のリラクゼーション対策として実施。
07
記録・確認
使用トルク値・実施日・担当者をフランジ管理台帳に記録する。
ISO 9001 / 保安規定上の要求事項。

上記パーセンテージはあくまで目安です。実際の設定トルクはボルト材質・径・ガスケット種類・使用流体・温度・圧力から算出してください。不明な場合はMHSにご相談ください。

クロスパターンの原理

1 5 3 7 2 6 4 8 8ボルト

丸数字 = 締付順序 / 数字 = ボルト位置番号

1・2番目に締める
3・4番目
5〜8番目
01

対角から始める

まず12時位置のボルト①を締め、次に真向かい6時位置のボルト②を締めます。フランジの中心を通る軸に沿って均等に荷重をかけます。

02

90°ずつ回転

次は3時→9時(③④)、1時半→7時半(⑤⑥)、4時半→10時半(⑦⑧)の順に進めます。常に直径方向で一対のボルトを締めます。

03

ガスケット圧縮を均等化

クロスパターンによりガスケット全面が均等に圧縮されます。ボルト本数が多い場合は締付順序ツールを使って確認できます。

✗ NG — 連続締め
1→2→3→4→5…と隣から順番に締めると、先に締めたボルトの軸力が変化し、ガスケットが傾く。
✓ OK — クロスパターン
1→5→3→7→2→6→4→8と対角で締めることで、荷重が均等に分散される。

HYTORCで行うフランジ締付の
4つのメリット

01
±3% のトルク精度
油圧によって設定トルクを精密に管理。手締めや手動レンチによる個人差・疲労による誤差を排除します。
02
自動停止で過締め防止
設定トルクに達すると自動停止。ボルトの降伏・破断リスクがなく、同一段階で全ボルトを均一に管理できます。
03
反力受け不要で安全作業
ハイトークワッシャーとの組み合わせで反力受けが不要に。作業者の安全と作業時間の短縮を同時に実現。
04
データ記録・証跡管理
LIONシリーズは締付トルクをデジタル記録。保安規定・品質管理の証跡として活用できます。

INTERACTIVE TOOL

ボルト締付順序ツールを
現場で活用する

ボルト本数(20〜88本)と同時締付箇所を入力するだけで、正しい締付順序をリアルタイムで表示。現場のタブレット・スマートフォンからそのまま使えます。

順序ツールを開く → 締付用語辞典 →
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