結論:最適な機種は作業環境によって異なります
ハイトーク(HYTORC)の油圧トルクレンチは5シリーズ37機種あり、大きく「スクエアドライブ型(MXT・MXT+・AVANTI)」と「カセット型(XLCT・STEALTH)」に分かれます。使い分けの基本はボルト周りのスペース(クリアランス)と反力の取り方です。ナットの上方に高さの余裕があり、反力アームを当てられる相手がある箇所はスクエアドライブ型、ナット周囲の高さ・幅が限られる箇所やボルトの突き出しが長い箇所はカセット型が向きますが、同じボルトでも周囲の隙間・作業姿勢・反力の取り方によって適切な機種は変わります。①ボルト径と必要トルク ②ボルト周りの隙間(高さ・幅)とボルトの突き出し長さ ③反力を受けられる相手があるか、の3つをお知らせいただければ、MHSが現場に合う最適な機種をご提案します。
全シリーズ比較表
| シリーズ | タイプ | ドライブ | 機種数 | トルク範囲(N·m) | 重量(kg) | 最小幅(mm) | 対応HEX(mm) | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| MXT | スクエアドライブ型 | 3/4"〜2-1/2" | 8機種 | 160〜50,293 | 1.22〜35.13 | W 41 | — | 汎用ボルト全般。世界で最も普及した定番機。既存ソケットを活用 |
| MXT+ | スクエアドライブ型 | 3/4"〜1-1/2" | 4機種 | 278〜16,468 | 3.08〜11.33 | W 55 | — | MXTの上位機。背面/同軸の2方式で反力を取れ、オートリリース・サイクルカウンター付き |
| AVANTI | スクエアドライブ型 | 3/4"〜3-1/2" | 11機種 | 156〜187,683 | 1.41〜265.91 | W 45 | — | 超大トルク領域まで1シリーズで。発電・製鉄の大型ボルト |
| XLCT | カセット(センターホール)型 | カセット交換 | 8機種 | 329〜80,143 | 0.93〜21.80 | W1 49 | 19〜190 | フランジ・配管の定修。隣のナットで反力を取り、ボルト突き出しが長い箇所や高さ・幅が限られた箇所に |
| STEALTH | カセット(センターホール)型・超薄型 | カセット交換 | 6機種 | 377〜47,069 | 1.81〜10.93 | W1 32 | 28〜165 | 最薄プロファイル。フランジ隙間がごく狭い箇所、高さ制限のある箇所 |
数値は各シリーズの最小機種〜最大機種の範囲です。機種ごとの寸法図・型番別スペックは各シリーズのページに掲載し、型番ごとに見積・レンタルをお問い合わせいただけます。
スクエアドライブ型とカセット型の違い
スクエアドライブ型(MXT・MXT+・AVANTI)
四角い駆動軸にソケットを付けて締める方式です。ソケットを介するためナットの上方に高さの余裕があり、反力アーム(アルコアーム等)を当てられる相手(隣のナットや構造物)がある箇所に向いています。市販のインパクト用ソケットが使えるので、ソケットを替えるだけでサイズ変更でき、建設機械・産業機械・鉄骨など用途が広いのが特長です。
カセット型(XLCT・STEALTH)
ボルトサイズごとの「カセット」を本体に差し替え、薄型のカセット自体が反力受けとなり、隣のナットで反力を受ける方式です。センターホールがあるためボルトの突き出しが長い箇所や、ナット周囲の高さ・幅が限られたフランジでも使えます。STEALTH はさらに薄く、最小幅 32mm と5シリーズ中で最も薄いプロファイルです。
3つの質問で選ぶ
- ボルト径と必要トルクは? — 必要トルクの1.2〜1.5倍程度の余裕を持った機種を選びます。トルク値の算出はフランジ締付計算、単位の換算はトルク換算表をどうぞ。
- ボルト周りの隙間とボルトの突き出しは? — ナット周囲の高さ・幅が限られる箇所や、ボルトの突き出しが長い箇所はカセット型(XLCT/STEALTH)。ナット上方に余裕があればスクエアドライブ型。
- 反力はどこで受けるか? — 隣のナットで受けるならカセット型。反力アームを当てられる構造物や隣接ナットがあるならスクエアドライブ型(MXT/AVANTI)で、既存ソケットも活かせます。
選定に迷う場合は簡単見積り(機種診断)か、MHSへ直接ご相談ください。レンタルで実機を試してから購入を決めることもできます。
5シリーズ共通の仕様
- 繰り返し精度 ±3%。油圧ポンプの設定圧力でトルクを管理し、機種別の圧力-トルク換算表で換算します。
- 最大作動圧力 700 bar(10,000 psi)。油圧ポンプは電動・エア・バッテリー式から選べます。
- 全シリーズでハイトークワッシャーを併用でき、反力アーム不要の締結に切り替えられます。
- 日本正規代理店MHSで販売・レンタル(最短1日)・修理・校正(証明書発行)・操作指導に対応。
よくある質問
ハイトークの油圧トルクレンチはどのシリーズを選べばよいですか?
使い分けの基本はボルト周りのスペースと反力の取り方です。ナット上方に高さの余裕があり反力アームを当てられる箇所はスクエアドライブ型(MXT・MXT+・AVANTI)、ナット周囲の高さ・幅が限られる箇所やボルトの突き出しが長い箇所は、隣のナットで反力を取るカセット型(XLCT・STEALTH)が目安です。ただし最適な機種は作業姿勢や周囲の構造など作業環境によって異なるため、ボルト径・必要トルク・隙間の3点をお知らせいただければ、MHSが現場に合う機種をご提案します。
MXTとXLCTの違いは何ですか?
MXTは四角い駆動軸に市販ソケットを付けて使うスクエアドライブ型で、反力アームで反力を取り、ソケット交換でサイズ変更できるため用途が広い機種です。XLCTはボルトサイズごとのカセットを差し替えるカセット型で、薄型のカセット自体が反力受けとなり、隣のナットで反力を受けます。センターホールがあるためボルトの突き出しが長い箇所や、ナット周囲の高さ・幅が限られたフランジに向きます。
STEALTHとXLCTはどう使い分けますか?
どちらもカセット型ですが、STEALTHは最小幅32mmと最も薄いプロファイルで、XLCT(最小幅49mm)でも入らない狭い隙間や高さ制限のある箇所に使います。トルク範囲はXLCTが80,143N·mまで、STEALTHが47,069N·mまでです。
油圧トルクレンチの精度はどのくらいですか?
ハイトークの油圧トルクレンチは5シリーズとも繰り返し精度±3%です。油圧ポンプの設定圧力とトルクが比例するため、設定圧力を管理すれば同じトルクを再現できます。
比較して迷ったらどこに相談すればよいですか?
HYTORC日本正規代理店のMHS株式会社で、ボルト径・必要トルク・現場の隙間を伺って機種を選定します。見積・デモは無料で、レンタル(最短1日)で実機を試してから購入を決めることもできます。